予約の電話対応を減らしたい人が最初に決める5つのこと
施術中や作業中に鳴る電話。出られずに折り返し、そのあいだにまた着信。予約の電話対応を減らしたい、という悩みは業種を問わずよく聞きます。そして、予約システムを入れたのに電話が減らなかった、という声も同じくらい見かけます。
予約システムを入れても、電話対応が減らない理由
ネット予約を導入すると、たしかに新規の予約は入ってきます。それでも電話が鳴りやまないのは、電話に残るものがあるからです。よく残るのは次の3つです。
- 例外:「今日これから空いてますか」「子ども2人も一緒でいいですか」「駐車場ありますか」
- 確認:「予約できているか不安で」「時間は14時で合っていますか」
- 変更:「30分ずらせますか」「来週に振り替えたいのですが」
新規の受付だけを機械に移すと、残った例外・確認・変更が全部電話に集まります。件数は減っても、1件あたりの手間はむしろ増えたように感じられます。
数えてみると、はっきりします。たとえば1日15件の着信のうち、新規が5件、残りが確認と変更と例外だったとします。こうなると、新規だけを機械に移しても体感は変わりません。
原因は道具選びではなく、決めごとが足りないことにあります。どこまで機械に任せ、どこから人が出るのか。その線引きをしないまま導入すると、線がないところにお客様が電話をかけてくる、というだけの話です。
予約の電話対応を減らす前に決める、5つのこと
道具を探す前に、次の5つを紙に書いてください。30分ほどで書けます。
1 受け付ける条件
いつからいつまでの予約を、どの単位で受けるか。ここが曖昧だと、あとで例外だらけになります。
- 何日先まで受けるか(例:翌日から30日先まで)
- 何分単位か(例:30分単位。施術は60分と90分の2種類)
- 何時間前まで受けるか(例:開始2時間前まで)
- 1日に受ける上限(例:1日6件まで、間に15分の片付けを挟む)
- 受けない条件(例:初回の方は電話のみ)
2 例外をどうするか
すべての例外を機械に入れる必要はありません。むしろ、入れないと決めるほうが大事です。
「当日予約は電話のみ」「団体は問い合わせフォームから」のように、例外は最初から人が受ける入口に寄せます。そのうえで、予約画面に「当日のご予約はお電話ください」と1行書いておく。これだけで、迷った人の行き先が決まります。
3 キャンセル・変更の扱い
いちばん電話が残りやすいところです。ここを決めずに始めると、変更のたびに電話が鳴ります。
- お客様自身で変更できるようにするか、店側だけが動かすか
- 何時間前まで、自分でキャンセルできるか(例:前日18時まで)
- それ以降のキャンセルはどうするか(例:電話連絡をお願いする)
- キャンセル料を取るか。取るなら、どう伝えるか
4 お客様への通知
「予約できているか不安」という電話は、通知で減らせることが多い部分です。いつ、何を、どの手段で送るかを決めます。
- 受付直後の確認(例:予約完了のメールを自動送信)
- 前日のリマインド(例:前日18時にLINEで送る)
- 変更やキャンセルを受けたときの通知
- 店側への通知(例:新しい予約が入ったらスマホに通知)
- お客様の連絡先を、どこに、いつまで残すか(例:予約サービスの中に1年)
高齢のお客様が多い場合は、メールが届かないこともあります。誰にどの手段で届くのかを、お客様の層とあわせて考えてください。
5 人が関わる場面
最後に、人が出る場面を決めます。ここを決めておくと、スタッフの迷いがなくなります。
- 朝と夕方に、その日と翌日の一覧を人が見る
- 電話で受けた予約は、その場で人が同じ画面に入れる(二重予約を防ぐため)
- 初回の方には、当日の朝に一言連絡する
全部を自動にしようとすると、かえって不安が残ります。「ここは人が見る」と決めておくほうが、結果として安心して任せられます。
汎用の予約サービスで足りるか、判定表
5つを書き終えたら、次の表で当てはまるほうを選んでください。左が多ければ市販のサービスで足りることが多く、右が多ければ要件を決めるところから始めるほうが近道になりやすいです。
| 見るところ | 市販のサービスで足りやすい | 要件化から始めたほうがよい |
|---|---|---|
| 予約の単位 | 時間枠やメニューで決まる | 現地を見るまで所要時間が決まらない |
| 担当 | 誰でもよい、または単純な指名 | 指名の履歴や実績に応じて、割り当てを自動で変えたい |
| 設備 | 席・部屋・備品を決めて割り当てる | 設備どうしの相性や移動時間まで考えて空きを出したい |
| 料金 | 一律、またはメニューと人数で決まる | 取引先ごとの掛け率や、既存の料金表と突き合わせたい |
| 例外 | 月に数件 | 週に何件も出る |
| つなぎ先 | 予約表だけで完結する | 会計や在庫、既存の台帳とつなぎたい |
判定に迷うときは、2週間だけ数えてみてください。電話を取るたびに、紙に「新規/確認/変更/例外」の4つで正の字を書くだけです。どこが多いかが分かると、先に手を打つところが決まります。例外ばかりが多い場合は、道具を替えても解決しにくいところです。
お客様が電話中心の場合は、どちらを選んでも電話は残ります。この点は表では決まらないので、②例外と⑤人が関わる場面で、受け止め方を決めてください。
6行とも左側に当てはまるなら、市販の予約サービスで足りる見込みが高い状態です。まずは無料の試用期間で、5つの決めごとどおりに設定できるかを試してみてください。右側が1〜2個なら、市販のサービスに寄せつつ、例外だけ人が受ける形で回ることもあります。3個以上に丸がつくときは、道具を試す前に要件をまとめたほうが、やり直しが減ります。
一言から、要件書1枚まで
架空の例で、5つを決めるとどうなるかを見てみます。出発点は「予約の電話対応に追われている」という一言だけです。ここから5つを決めていくと、最後に残るのは1枚の要件書です。
この一言は、LINEで24時間受け付ける流れの要件書になります。受け付ける条件は翌日から30日先まで、当日予約は電話のみ。変更は前日18時まで自分でできて、それ以降は電話。前日18時にリマインドを送り、店側は朝と昼に一覧を見る。書き出してみると、決めごとはこの程度の分量です。
ここまで決まっていれば、市販のサービスで足りるかどうかも判断できますし、足りない場合は、そのまま開発会社への見積もり依頼に使えます。詳しい書き方は要件定義書とは?非エンジニアのための書き方入門にまとめています。
まとめ
- 予約システムを入れても電話が減らないのは、例外・確認・変更が電話に残るためです
- 道具を選ぶ前に、①受け付ける条件 ②例外の扱い ③キャンセルと変更 ④お客様への通知 ⑤人が関わる場面、の5つを決めます
- 例外は機械に入れず、電話や問い合わせフォームに寄せると整理しやすくなります
- 「予約できていますか」の電話は、確認とリマインドの通知で減らせることが多いです
- 判定表で右側が3個以上なら、道具探しより要件をまとめるほうが早く進みます
relay2aiは、AIが苦手な経営者・個人事業主のための「通訳」です。4時間のヒアリングで、こうした決めごとを要件定義書とワイヤーフレームの形にまとめます。
5つを決めようとして、自分の店の場合はどうすればいいか迷った。そこからで大丈夫です。30分の無料相談で、いまの予約の受け方を聞かせてください。市販のサービスで足りそうなら、そのようにお伝えします。